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言葉以上に雄弁なもの

私たちは、言葉に置き換えて自分のことを伝えようとします。

良かれと思われる言葉を紡ぎ、
相手に分かってもらえるように言葉を選びながら、
自分の考えている事や、感じている事を、
思いつく限りの言葉で語ります。

・・・、
しかし、・・・?、
果たしてそれは本当に「わたし」の真意を伝えるのでしょうか?

私たち人間は、決して頭だけで生きている訳ではありません。
思考が全てではないのです。
感情の多くは、身体の細胞レベルに反応し、
筋肉に記憶されて、「わたし」と云う人間をここに在らしめます。

従って、
身体の内側感覚に根付いている記憶が、
無意識に現れる「ボディーランゲージ」として、
非言語として、言葉の裏に隠されながらも、
フトした表情や動作に、また声の大きさや語り口のスピードに、
考え抜いたはずの言葉よりも、
遥かに強烈に雄弁にその人自身を表現してしまうのです。
とっさに反応するその人特有の振る舞い方。
固まる身体、一瞬止まる呼吸、無用な笑顔で怒りを語る人。
冷静さを勘違いした笑顔も悲しみも表さない能面のような
無表情で無反応な人。
それらのいずれもが、
率直で誠実な自身の大切な感情を頑なに押し殺した表現です。

カウンセリングの現場に於いて、
カウンセラーは「傾聴」という技法の中に、
心理的背景を重視しながらその作業を進めています。
だからこそ、
一般人では理解しがたいクライアントの深い心情を
共感的に理解して行けるのです。
そして、
そのために、
私たちカウンセラーと呼ばれる人間は、
常にその訓練、厳しいトレーニングの研鑽を積んでいます。
by h-c-c | 2014-04-04 20:58
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