私たちは、言葉に置き換えて自分のことを伝えようとします。
良かれと思われる言葉を紡ぎ、
相手に分かってもらえるように言葉を選びながら、
自分の考えている事や、感じている事を、
思いつく限りの言葉で語ります。
・・・、
しかし、・・・?、
果たしてそれは本当に「わたし」の真意を伝えるのでしょうか?
私たち人間は、決して頭だけで生きている訳ではありません。
思考が全てではないのです。
感情の多くは、身体の細胞レベルに反応し、
筋肉に記憶されて、「わたし」と云う人間をここに在らしめます。
従って、
身体の内側感覚に根付いている記憶が、
無意識に現れる「ボディーランゲージ」として、
非言語として、言葉の裏に隠されながらも、
フトした表情や動作に、また声の大きさや語り口のスピードに、
考え抜いたはずの言葉よりも、
遥かに強烈に雄弁にその人自身を表現してしまうのです。
とっさに反応するその人特有の振る舞い方。
固まる身体、一瞬止まる呼吸、無用な笑顔で怒りを語る人。
冷静さを勘違いした笑顔も悲しみも表さない能面のような
無表情で無反応な人。
それらのいずれもが、
率直で誠実な自身の大切な感情を頑なに押し殺した表現です。
カウンセリングの現場に於いて、
カウンセラーは「傾聴」という技法の中に、
心理的背景を重視しながらその作業を進めています。
だからこそ、
一般人では理解しがたいクライアントの深い心情を
共感的に理解して行けるのです。
そして、
そのために、
私たちカウンセラーと呼ばれる人間は、
常にその訓練、厳しいトレーニングの研鑽を積んでいます。